中級者をめざすブログ

ゆるふわな大学生のブログです。

年賀状

関東に移住してから年賀状を書くことがめっきり減ってしまったが、今の家に移ってからはいよいよ1枚も書かなくなった。そもそもこの家の住所を知っている知人なんて1人か2人くらいしかいない。何となくSNS類でつながっているのでそれでよい、というある種現代人的な考え方である(面倒臭いだけ)。

 

しかしながら、来年は進路が決まったということでどうしてもご挨拶をしなければならない相手に書かなければならない、と重い腰を上げて便箋に向かっている。

 

たった1通、たった1通なのだが何と書けばよいのかわからない。ふとした瞬間に浮かんでくるのだけれども、反芻すると何とも薄っぺらい感じがして、すぐに消えてしまう。

 

そんなことを繰り返しているうちに、もう今年も残りわずかになる。元日に届くわけもなく、未だ便箋は真っ白のまま。

飛ぶ諭吉

弊社生協では年末にかけて弘文堂フェア→日本評論社フェア→有斐閣フェアと続く(最初2つの順番が違うかもしれないがそんなことはどうでもいい)。

普段から10%引きで書籍を購入できるが、フェアの間は20%引きになるのでついつい買ってしまい、後に財布が悲鳴を上げることになる(悲しみ)。

 

ということでこれらのフェア絡みで購入した書籍のみなさま(弘文堂の新刊ラッシュとフェアをずらした生協は絶許)

  1. 弘文堂 
    行政法〈上〉 (法律学講座双書)

    行政法〈上〉 (法律学講座双書)

    • 作者:小早川 光郎
    • 出版社/メーカー: 弘文堂
    • 発売日: 1999/06/01
    • メディア: 単行本
     

    まあその...ね? 

    (フェア期間外の本(ブチギレ))

    新民事訴訟法 第6版

    新民事訴訟法 第6版

    • 作者:新堂 幸司
    • 出版社/メーカー: 弘文堂
    • 発売日: 2019/11/13
    • メディア: 単行本
     

     民訴ってのは最近になってちょっと面白いと思えるようになったが、それまでいろいろ読んでもなんとも言えない気持ちにしかならなかった。直近では某元裁判官の書いた日本評論社の本を読んでいたけれども、改訂を待っていたこちらへ。安定感が違う(?)

     

    憲法訴訟の十字路-実務と学知のあいだ

    憲法訴訟の十字路-実務と学知のあいだ

    • 作者: 
    • 出版社/メーカー: 弘文堂
    • 発売日: 2019/11/20
    • メディア: 単行本
     

     事情の変化論というのは利益衡量論より恣意的ではないかい?というお気持ちを最近持つに至っている。なんだかねえ。

  2. 日本評論社
    競争政策論 第2版

    競争政策論 第2版

     

    ジャケとパラ読みだけで買っちまったがこれが大当たりでは?という感じ(著者がその業界の重鎮であることも知らなかった)。市場の独占であるとか寡占であるとかそういった企業の動向を法的に統制するというのはある部分では重要だけれども、そもそもどのような状況下で企業がそういった行動を行うのか、それを経済学的な観点から分析するのも大事よね、という。 

    行政法解釈の基礎: 「仕組み」から解く

    行政法解釈の基礎: 「仕組み」から解く

     

    頭の使い方がわかるとそのあとの勉強もしやすいよなぁと、いまさらながら。
    弘文堂フェアのときに『行政判例と仕組み解釈』を買うのでもよかったけどまあょゎぃ学生だし... 

  3. 有斐閣 
    産業組織論 -- 理論・戦略・政策を学ぶ

    産業組織論 -- 理論・戦略・政策を学ぶ

    • 作者:小田切 宏之
    • 出版社/メーカー: 有斐閣
    • 発売日: 2019/11/14
    • メディア: 単行本(ソフトカバー)
     

     日本評論社のところで挙げた『競争政策論』の著者が出した標準的テキスト。なんというタイミング。一応必要とされるミクロ経済学の知識は第1章で説明されているが、1年生のときにミクロ経済学を少し勉強しておいてよかったなと思う。モデル通りに社会が動くとは限らないがやはり明快ではある。
    著者は以前このテキスト

    新しい産業組織論:理論・実証・政策 (Y21)

    新しい産業組織論:理論・実証・政策 (Y21)

     

     を有斐閣から出していて、長い間改訂のない状態で本書の出版に至ったために、てっきりこのテキストの後継書なのかなと思っていたが、本書のはしがきを読んだところ、『産業組織論』は学部2-4年生向け(初級〜中級?)、『新しい産業組織論』は学部上級〜大学院レベルを対象としているとのことで、棲み分けをしているらしい。

     

    憲法判例百選I 第7版 (別冊ジュリスト)

    憲法判例百選I 第7版 (別冊ジュリスト)

    • 作者: 
    • 出版社/メーカー: 有斐閣
    • 発売日: 2019/11/29
    • メディア: ムック
     

     

    憲法判例百選II 第7版 (別冊ジュリスト)

    憲法判例百選II 第7版 (別冊ジュリスト)

    • 作者: 
    • 出版社/メーカー: 有斐閣
    • 発売日: 2019/11/29
    • メディア: ムック
     

     判例百選そのものをそれほど使うわけではないけれど、判例百選に掲載されるということが判例の一つのメルクマールになる(と思っている)。さして旧版と入れ替わっているわけでもないから別に必須ではなかったのかもしれないけど。

     

    ケースブック刑事訴訟法 第5版
     

     苦肉の策をもってニートを回避したわけだが、進学先での教材なので購入。
    それほど中身が嫌いというわけではないのだけれど、この大きさはなんとかならないのかしら...(弘文堂ケースブックサイズでいいじゃない)

     

    債権法改正と実務上の課題 (ジュリストブックスProfessional)

    債権法改正と実務上の課題 (ジュリストブックスProfessional)

     

     現行の民法をそれほど真面目に勉強していなかったのでそれこそ必要あるのかしらと思うところはないが、まあなぜ改正に至ったのか、改正法が意識している点はどのようなところかを押さえておくことで条文や学説の議論を読み解きやすくなるのかな...ということで。

こんな感じ。何か教科書チックなものが多い気がするけれど仕方ないね。

「厳罰を科す」ということのむなしさ

何か書こうと思ったのだけれど、何を書いてもむなしいのでやめてしまった。

 

ただ、それが残された人間の悲しみを癒すとか、心の整理がつくだとか主張するならばそれはおよそありえないことだし、今後同じ犠牲者を生まないためと言いたいなら求めることが違うんじゃないの、としか思うことはできない。

 

そういう気持ちになること自体はごく自然なことだと思うし、全くもって仕方のないことだけれども、その気持ちを利用して(?)よくわからない方向へ進めようとする周辺の人間は、実に醜悪ではないかと思わざるを得ない。

最も醜悪なのは「悪」ではなく「正義」なのかなあ。

 

「どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。」(村上春樹ノルウェイの森』下巻227頁)

ほよよ

租税条約に基づ犯則調査等々の情報を交換する際、両国がそれぞれ国内法に定める適正手続の範囲の際から生じる、「A国ではホワイトだけれど、B国ではブラック(グレー)」な手続によって得られた情報の交換って、証拠としての能力とか手続法上の問題はどうなのだろうと思って質問をしてみたが、実際に問題になったケースが無いし、我が国の裁判所は証拠排除に対してそれほど厳しくはないので...と返される。

そりゃそうなんだけれども、そういうものなのかねえ...

最終学期?

今週で夏休みが終わってしまうという事実に震えている。

 

散々Twitterで騒ぎ散らかしているのでなんだまたそれかと思われる向きもあるかもしれないが、はてなブログ運営から「ブログ書かんかい」というメールが送られてきたので今回は最終学期に何を履修しようかしら、というお話。

 

卒業するための単位は全て揃っている(手形・小切手でかなりヒヤヒヤしたのは秘密)。

とはいえ、本学の場合4単位科目の授業配置パターンが決まっていることから授業時間帯のダブりで泣く泣く履修を諦めてきた科目がそこそこあるのも事実。

しかしながら、来学期は入試が控えているのもまた事実...

ということで、これらのバランスを考えつつ、まあ進学先でやれそうなものはカットしていくか...という方針で考えてみる。

 

ゼミは本学の場合通年なので確定。

外国語文献を読む外国法研究は、春にフランス行政法を履修できたのはよかったが秋学期は開講なし。他は全て履修不可能な時間帯。あれま。

 

ちなみに、これまで履修してきたのがこんな感じ。

(実定法科目)

憲法民法(総則・物権)・商法・会社法・手形小切手法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法

倒産法・租税法・経済法(規制産業のみ)・国際法

(基礎法科目など)

ローマ法・法社会学・フランス私法・企業犯罪

(その他)

ミクロ経済学・簿記論 など

 

今いちばん関心のある某法を履修していないじゃないか!というお叱りの声が聞こえてきそうなのはとりあえず置いておいて...(わりと後悔しているんです)

とりあえず国際租税法は確定。

勧められている科目が法医学と情報法。

法医学はおそらく、ある種リアルなものを一度見る経験はしておくべきなんだろうなとは思う。

情報法は関心ある領域との関係で間違いなく勉強しておきたい...学部ではなくてもできそうではあるけれど。

検討中なのが

①国際取引法

②比較法原論

EU競争法

の3つ。

①は正直松尾先生の講義と重複するな〜とは思っているけど、週2コマ配当だし相乗効果をもたらすという意味ではアリかなぁ...

②は比較法の素養を身につけるという点では取りたい。ただ情報法と1コマ被る

③は公取の実務家が講義する科目。土曜日というのが渋いが、様々な情報の利活用ということを考えると、競争法の観点から検討を加えることは避けられないし、去年経済法を履修して面白かったからなあ...EUはこの点かなり進んでいると感じられるし

なんとも。

 

放談

今年成人を迎えた弟がいる。

イベント的な価値をどれほど感じるかは個々人によるが、成人式が来年の1月にある。

現在居住する自治体から案内が来るわけだが、我が家がこの領土紛争地帯(未回収の神奈川ともいう)にやってきたのは2年前のことで、ここには特に知人がいるわけではない。よってこの自治体の成人式に行くことはない。

 

では、地元(田舎)の成人式に行くのかと言われると、これまた弟にとっては微妙になる。我が家は自分が大学に上がる年に全員東下りしたのだが、そうすると弟は必然的にこちらの高校に通うことになる。やはり中学までの知人と高校までの知人ではなんというか、様々な意味で違いがあるもので、高校に通っていない地元に帰ってもなんとも言えない感じがする(中学までの知人で今に到るまで交流が続いている人間なんて数える程しかいないわけだし。ここは中高一貫校を出てきた人々と、公立の小中高と来た自分の違いなんだろう)。高校の同窓会との兼ね合いもあるわけで、なんとも微妙な立場に立たされているようで気の毒になる。

 

まあ最終的には彼自身が決めることなので、自分は何も言うつもりは無いが...

 

 

今年も墓参りには行けなかった。

法学入門?

先日、高校の後輩から「東大ツアーに来る高校生向けに法学について話してもらいたい」旨の依頼を受けた。

 

筆者の出身高校は毎年そこそこの数の東大合格者を出す学校で、毎年東大OCに合わせて学校側が希望する生徒を引率するというイベントを開催している。その際、初日にいくつかのコースに分かれてOBが各分野についての話をするというものがあり、法学についてもコースが設置されている。当然東大生が担当するのだが、色々あって東大とは特に関係のない筆者にお鉢が回ってきた。

安請け合いしたのはいいが、何をすれば良いのかさっぱり分からず、たまたま前任者の方が知り合いの知り合い的な感じの方だったのでその方に泣きつきお願いして、どうにかこうにかスライドを作成することができた...

が、なんと肝心の当日は台風8号のせいで飛行機が飛ばず、結局イベントは中止に。

スライドはお蔵入りになってしまった(Slideshareへ投げることも考えたが、個人的な部分が多く、編集すると微妙な感じになってしまうのでやめた)。

まあしばらくブログがご無沙汰になっていたので、せっかくなのでそのスライドからひとネタ使うことにする。

 

このツイートは件のスライドを作成する際にフォロワー諸氏に投げたものである(その節はありがとうございました)。一般的な入門書から古典的なもの、最新のもの、高校生を一体どこへ突き落とそうとしているのかという素晴らしいものを数多くご紹介いただいたが、最終的にスライドに載せたのは以下の5(+1)冊。

 

稲正樹・寺田麻佑・松田浩道・吉良貴之・成原慧・山田哲史・松尾剛行『法学入門』(北樹出版、2019年)

 

法学入門

法学入門

 

 法学入門系の本は近年様々なものが出版されており、本学からも何冊かポコポコ出ているが、まあ最新の話題に絡めていたり、法解釈だけでなく法の「作られ方」だとかそういうものへの気配りもされていて1番面白いのはこれだと思う。「法学入門」というのは、決して「民法入門」「刑法入門」などの羅列ではないだろう。

 

渡辺洋三『法とは何か〔新版〕』(岩波新書、1998年)

法とは何か 新版 (岩波新書)

法とは何か 新版 (岩波新書)

 

 これも1冊目の「法学入門というのは...」という考えのもとで選定。

 

 木庭顕『誰のために法は生まれた』(朝日出版社、2018年)

誰のために法は生まれた

誰のために法は生まれた

 

Twitterで推しの多かった1冊。高校生との対話の中で生まれた1冊だし、確かに。

 

横田明美『カフェパウゼで法学をー対話で見つける〈学び方〉』(弘文堂、2018年)

カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉

カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉

 

大学での生活の仕方の羅針盤的な本だと思っている。 

 

草野耕一『未央の夢ーある国際弁護士の青春』(商事法務、2012年)

未央の夢 -ある国際弁護士の青春

未央の夢 -ある国際弁護士の青春

 

万が一弁護士志望がいた場合に備えて紹介した自伝的1冊。 弁護士という仕事に魅力を感じることはあまりないが、草野先生のこういった著作は面白く感じる。

 

安藤馨『統治と功利』(勁草書房、2007年)

統治と功利

統治と功利

 

 こちらもなぜか複数の方面から圧力推薦を受けてしまったので、最後にこっそり載せた。

 

果たしてこれらの書籍で法学に「入門」しようと考える高校生がどれほどいるのかは不明だが、重ね重ね直接話をすることができなかったのは残念である。